ホワイト企業と就職活動

ホワイト企業は労働法を遵守する

残業とサービス残業

スポンサーリンク

残業とサービス残業


拘束時間と労働時間の関係

拘束時間

労働者が会社の敷地に入った時から会社の敷地を出るまでの時間。

労働時間

拘束時間から敷地に入ってから始業までの時間、終業から敷地を出るまでの時間および休憩時間を引いた時間。

労働時間=拘束時間-(構内自由時間+休憩時間)


労働時間とは

労働時間とは、会社(使用者)の指揮監督下にある時間のこと。

勤務時間中、労働者は上司に従い、誠実に業務を遂行しなければならない。
労働時間には以下の2種類がある。

1.所定労働時間

所定労働時間とは会社で定めた労働時間のこと。
例えば9時から17時までの「7時間」など。

2.法定労働時間

法定労働時間とは、労働基準法32条で定めた労働時間のこと。
実は働く時間の長さは労働基準法で制限されている。

この法定労働時間は原則として1日8時間、1週間で40時間。

(労働基準法(労基法):労働基準法とは、社会的弱者を保護するための社会法のこと)

深夜労働とは

深夜労働とは、午後10時から午前5時までの間に働くこと。
25%以上の割り増し賃金が支払われる。

法定労働時間を超える時間外労働と深夜労働が重なれば50%以上の割増賃金が支払われる。

休日出勤と深夜労働が重なれば60%以上の割増賃金が支払われる。

さらに1ヶ月60時間を超える時間外労働と深夜労働が重なれば、75%以上の割増賃金が支払われる。

労働基準法による深夜労働の制限

18歳未満の年少者が、深夜(午後10時から午前5時まで)働くのは原則禁止
・育児または介護を行う労働者(男女とも)が深夜働くことを制限

休憩時間とは

休憩時間とは、労働者が一定時間以上労働すると与えられるもの。
労働者は、以下の休憩時間を自由に利用することができる。

・労働時間が6時間を超える場合
→休憩時間45分以上

・労働時間が8時間を超える場合
→休憩時間60分以上


時間外労働(いわゆる残業)とは

時間外労働、いわゆる残業とは所定労働時間を超えて働くこと。

時間外労働(残業)して法定労働時間を超えて働くと、その超過時間について25%の割増賃金が支払われる。

1ヶ月60時間を超える残業には50%以上の割増料金が支払われる。
(割増賃金はパートタイム労働者も含む、全ての労働者に適用される)

法定労働時間のおさらい

労働基準法では、労働時間を1日8時間、一週間40時間上限として定めている。

これを「法定労働時間」といい、会社はこの時間を越えて労働者を働かせてはならないと労基法第32条は定めている。

法定労働時間を越えて労働させることは労基法32条違反であり、罰則もある。
また、いわゆる「雑務」も労働時間に算入できる。

これは労働者の健康を守るためであり、法定労働時間を越えた残業時間数が80時間以上になると、脳疾患や心疾患のリスクが高まることが報告されている(過労死ライン)。

過労死ライン

厚生労働省による脳・心臓疾患に関する労災認定基準(いわゆる過労死ライン)は以下の通り。

発症前1ヶ月の間に労働者が100時間を超える残業をしていた場合

発症前2ヶ月~6ヶ月の間に労働者が一ヶ月あたり平均で80時間を超える残業をしていた場合

ただし、一ヶ月あたり45時間を超える残業をしていれば、業務と過労死発生の相関は徐々に高まる。

たとえば月60時間程度の残業時間数であっても不整脈の一種である心房細動のリスクが高まることが報告されている。
そのため残業時間が月100時間に達しなくても実際には労災認定されている。

会社は労基法第36条による労使協定(36協定)を締結し、労働基準監督署長に届け出てはじめて、労働者に時間外・休日労働をさせることができる。

労基法第36条では、時間外労働(残業など)と休日労働を例外的に認めることを定めている。

しかしながら、これは時間外労働と休日労働を無制限に認めるものではなく、臨時的なものとして必要最小限にとどめるべきである。


サービス残業とは

サービス残業とは、法定労働時間を超えて働いているのに時間外手当が支払われないこと。
この場合、会社は労働基準法違反となる。


サブロク協定(36協定)とは


サブロク協定(36協定)とは、会社が法定労働時間を超えて従業員を働かせる場合に、あらかじめ労働組合との間に結んでおく時間外労働と休日労働に関する協定のこと。

労基法36条によりこの協定は労働基準監督所に届けなければならないと定められているため、サブロク協定と呼ばれている。

法定労働時間である1日8時間、週40時間を越えて労働者に業務(時間外労働、残業)を行わせる場合、会社側は労働組合と36協定を締結しなければならない。

サブロク協定で延長できる労働時間にも上限(原則)がある。
そのため労使の協定内容はこの上限(原則)を超えないようにする必要がある。

36協定の上限 : 時間外労働(残業)は原則週15時間、月45時間まで

36協定の上限は、時間外労働(残業)は原則週15時間、月45時間まで、である。

しかしながら、この36協定の上限は労使で36協定の特別条項を結べば、1年のうち6ヶ月まで36協定の上限を超えた残業を労働者にさせることが可能であった。

そして労使で36協定の特別条項を結べば、年間の残業時間に上限を無くすことも可能であった。

その結果、従来の制度では残業時間の上限を事実上なくし、会社側は労働者に無制限に残業をさせることが可能であった。

2017年に合意された残業時間規制の内容

2017年、長時間労働による相次ぐ労働者の過労死を受け、連合(労働者側の団体)と経団連(会社側の団体)が協議を行い、従来は延長時間の上限が無かった残業に、規制を設けることで労使合意した。

対象:労働者(管理監督者は除く)
原則:月45時間、年360時間を残業時間の原則的な上限とする。

特例:繁忙期に限り、特例で一ヶ月あたり45時間を超えて100時間未満まで延長して労働者を残業させることが可能。

上限:残業時間は年720時間まで(繁忙期の特例の延長分を含む)

名ばかり管理職の扱い

上記の残業時間規制の対象は労働者であり、管理監督者(管理職)は対象外となっている。

しかし、管理職であっても人事権が無いため部下がおらず、出退勤の裁量が無いため労働時間の拘束を受け、経営判断に関与できるわけでもない「名ばかりの管理職」も世の中に存在する。

こうした名ばかり管理職も労働法の保護対象であるという司法判断が出ていることから、残業時間規制に関しても裁判所は同様に判断すると思われる。

今後、この合意内容を元にサービス残業が横行する企業では労使協定の改定が行われるものと思われる。

この合意を着実に守るためには、会社側(使用者)による労働者の残業時間の把握が欠かせない。
厚生労働省が策定した会社側(使用者)による残業時間の把握のためのガイドラインは以下のとおりである。

会社側(使用者)による残業時間の把握のためのガイドライン

・会社は労働時間を適正に把握する責務がある。
・会社はタイムカードやICカード、そしてパソコンの使用記録など客観的な記録により労働時間を把握すること。
など
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html)を加工して作成