ホワイト企業と就職活動

ホワイト企業は労働法を遵守する

有機溶剤作業主任者

スポンサーリンク

有機溶剤作業主任者とは

日本には企業などで労働災害が起こらないようにするために作業主任者という資格制度があります。
この制度は労働安全衛生法がよりどころとなっており、作業主任者は国家資格となります。

有機溶剤作業主任者もたくさんある作業主任者のうちの一つです。
講習を受講し、講習の最後に行われる修了試験(筆記)に合格して、有機溶剤作業主任者の資格を得ることができます。


有機溶剤作業主任者技能講習会の受講資格

制限なし。誰でも受講できます。

有機溶剤作業主任者技能講習会の概要

日数:講習は平日の二日間。
費用:受講料はおよそ1万数千円。
備考:講習終了時、修了試験(筆記試験)がある。

有機溶剤作業主任者講習会の講義内容

健康障害とその予防措置に関する知識
保護具に関する知識
作業環境の改善方法に関する知識
関係法令
修了試験

そもそも有機溶剤等とは

有機溶剤等とは、有機溶剤あるいは有機溶剤含有物のこと。
有機溶剤含有物は有機溶剤と有機溶剤以外のものとの混合物で、混合物重量のうち有機溶剤を5%を超えて含有するもののこと。

有機溶剤の性質

揮発性が高い
引火性がある
比重が大きいため拡散しにくい

有機溶剤の蒸気は静電気の火花放電でも容易に発火するので、アースは必須。
引火点が常温以下の有機溶剤は常に引火爆発の危険性がある。

有機溶剤中毒

有機溶剤中毒は急性中毒と慢性中毒に大別される。
急性中毒の予防には、必ず換気を十分に行って高濃度の有機溶剤蒸気を滞留させないことが重要。
そして有機溶剤を使用して業務を行う労働者は就業中は保護具を着用しなければならない。

有機溶剤等の区分の表示

化学構造あるいは沸点により有機溶剤を分類できる。
第一種有機溶剤等 
第二種有機溶剤等 黄
第三種有機溶剤等 

有機溶剤作業主任者の職務

・有機溶剤を使用する作業の方法を決定し、他の労働者を指揮すること。
・局所排気装置、プッシュプル型換気装置あるいは全体換気装置を最低でも一ヶ月に一度は点検すること(記録を残す)。
・保護具の使用状況を監視すること。

保護具を正しく選んで使用するための注意事項

・防毒マスクは国家検定規格に合格したもの、その他の保護具は日本工業規格(JIS規格)に適合する保護具を選ぶこと。
・有機溶剤を取り扱う作業、そして作業者に合った保護具を選ぶこと。
・有機溶剤を使用して作業を行う労働者へ保護具の装着、使用、管理について教育すること。

化学防護衣類

化学防護衣類は有機溶剤が皮膚に付着することによる皮膚障害および皮膚から吸収されて起こす中毒を防ぐ目的で使用される。
このため液体ならびにガスを透過しない材質のものを確認して選定する。

会社側の義務

会社(事業者)は保護具を同時に就業する労働者の人数と同数以上を備えること。
保護具は常時有効かつ清潔に保管しなければならない。

呼吸用保護具の種類

大気中に酸素は約21%の割合で存在しているが、この酸素濃度が18%を下回るとヒトは生存できない。
よって、空気中の酸素濃度が18%未満の作業場や、酸素濃度が不明な作業場ではろ過式呼吸用保護具を使用することはできない。
また、空気中の酸素濃度が18%以上でも、有害物質の種類が分からない場合は、送気マスクを使用する。

酸素濃度18%以上のみで有効な「ろ過式」呼吸用保護具

防毒マスク
防塵マスク

酸素濃度18%以上のみで有効な「給気式」呼吸用保護具

送気マスク
自給式呼吸器

防毒マスクと送気マスク

有機溶剤を取り扱う作業では、対象物質に適した防毒マスクか送気マスクを使用する。
自給式呼吸器は災害時の緊急時に用いるもので、通常の有機溶剤作業に使用するのは適当ではない。

防毒マスク

防毒マスクは型式検定合格標章により型式検定合格品であるものを選定する。

防毒マスクの利点

行動範囲が広い。

防毒マスクの欠点

酸素濃度18%未満の場所では使用不可。
防毒マスクは付属の吸収缶を通して除毒するが、その能力には限界がある。
吸収缶に有毒ガスが捕集されていくと、やがて有毒ガスを捕集しきれなくなる(破過状態)

防毒マスクの種類

直結式小型防毒マスク
大気中における有害ガス濃度が0.1%以下の場合に使用可

送気マスク

送気マスクは使用前に必ず作業主任者が点検を行って、異常のないことを確認してから使用する。
定期点検と整備を1ヶ月に1回実施する。

送気マスクの利点

酸素欠乏環境や、その恐れがある場所でも使用することができる。
軽くて連続使用時間が長く、一定の場所での長時間の作業に適している。

送気マスクの欠点

行動範囲は限られる。


工学的作業環境対策

1.有機溶剤の使用を止めるか、より有害性の少ない他の溶剤に転換する。
2.生産工程、作業方法を改良して発散を防ぐ。
3.有機溶剤の消費量をできるだけ少なくする。
4.発散源となる設備を密閉構造にする。
5.自動化、遠隔操作で有機溶剤と作業者を隔離する。
6.局所排気、プッシュプル換気で有機溶剤蒸気の拡散を防ぐ。
7.全体換気で希釈して、有機溶剤蒸気の濃度を低くする。

局所排気装置の概要

局所排気装置はファンを運転して吸込み気流を起こし、発散した有機溶剤蒸気を周囲の空気と一緒にフード(吸込み口)に吸い込む。
フードで吸い込んだ空気はダクトで運び、空気清浄装置で有機溶剤蒸気を取り除き、排気ダクトから大気中に放出する。
ダクトは長さができるだけ短く、曲がりの数ができるだけ少なくなるように配置するべきである。

制御風速とは

有機溶剤蒸気をフードから最も遠い作業位置(捕捉点)で捕らえて、完全にフードに吸い込むために必要な気流の速度を制御風速と呼ぶ。

局排の点検と記録保管

会社(事業者)は局所排気装置の自主検査を1年以内ごとに1回行わなければならない。
自主検査を行った際にはその記録を3年間保存しなければならない。


フードの基本分類

囲い式フード

囲い式フードはフードが有機溶剤蒸気発散源を囲むもの。
最も効果的なフードである。
開口面上で風速が最小となる位置が制御風速を与える補足点となる。

外付け式フード

外付け式フードはフードが囲いにできず、できるだけ発生源に近い位置に設けたもの。
囲い式に比べて効率がよくない。
フードの開口面から最も離れた作業位置が制御風速を与える補足点となる。

局所排気装置の制御風速

囲い式フードは、フードの開口面における最小風速。
外付け式フードは、局排フードによって有機溶剤の蒸気を吸引しようとする範囲内におけるフード開口面から最も離れた作業位置(補足点)の風速。

バッフル

バッフルとは、気流の方向を変えるつい立のこと。
会社(事業者)は、局所排気装置、プッシュプル型換気装置あるいは全体排気装置を設置したときは、バッフルを設けて換気を妨害する気流を排除するなど当該装置を有効に稼動させるために必要な措置を講じなければならない。

その他の用語集

法令

国会が制定した法律と、法律の委任を受けて内閣が制定した政令、専門行政機関が制定した省令などの命令をあわせたもの。

告示

厳密には法令ではないが、法令とともに更に詳細な技術的基準を定めるもの。

通達

法令、告示の内容を解釈するもの。

馬尿酸

有機溶剤特殊健康診断で測定するトルエンの尿中代謝産物。

メチル馬尿酸

有機溶剤特殊健康診断で測定するキシレンの尿中代謝産物。

トリクロル酢酸

有機溶剤特殊健康診断で測定するトリクロルエチレンの尿中代謝産物。

作業環境測定のA測定とB測定

A測定

作業環境測定における単位作業場所の平均的な有機溶剤蒸気の濃度を調べるための測定。

B測定

作業環境測定における発生源の近くで作業する作業者の高濃度曝露の危険性を調べるための測定。
溶剤蒸気の濃度が最大になると考えられる作業位置で行う。